フシギな片想い
バリバリのキャリアウーマンって・・・実を言うと、娘の私もママの仕事をよく理解していない。
仕事の話とか家でしないし、というか娘に仕事の話を詳しく説明する親もいないだろう。
「あ、ピーチの香り付きだって。キャリアウーマンっていうか・・・前は大手の家具メーカーに勤めてたんだけど、今は独立して、輸入家具ショップのオーナー」
「っていうことは女社長?海外に買付けとか行ってんの?」
「まぁ、一応・・・」
バイヤーだ!カッコイイ!働くオンナ!と芽衣子は叫んだ。
確かに表面はカッコイイママだけど、家の中ではナマケモノだ。
でも、そんな悪口を芽衣子に話しても仕方ないので、そこは心に留めておく。
雑貨屋でかわいい文房具を購入した芽衣子はホクホク顔だった。
再び、商店街に出た所で、芽衣子が時間を確認した。
「そろそろかな・・・」と意味深な呟きをした芽衣子は、
「美雨って今日、これから予定ある?」と訊ねてきた。
特に予定がない私は首を横に振った。
「ちょっと、付き合ってもらいたいんだけど、いいかな?」
芽衣子が上目づかいに私を見た。