フシギな片想い
接近、ママのいない夜
「えぇ!?一緒に住んでるの児玉くんと?」
芽衣子が素っ頓狂な声を上げたので、しーと人差し指を口の前に立てて、「声大きいって」とたしなめた。
芽衣子の目の前にはイチゴのパフェが、私の目の前にはチョコブラウニーのアイスクリーム添えが置かれている。
ちらりと店内を見渡す。
ホールに真央の姿はなかった。
ほっと胸を撫で下ろす。
「何で?どういう事?」
興奮した様子で迫ってくる芽衣子に、ふぅと溜息を吐き、仕方なく事情を説明する。
「ということは、美雨のママの恋人が児玉くんのお兄さんで、2人は婚約して、一緒に住むための家を買ったと?」
「ざっと説明すると、そんな所」
ようやく納得したのか、芽衣子は目の前のパフェにパクついた。
「いいなぁ、羨ましい~」
頬杖を吐きながら、パフェスプーンを片手に中身をつつく。
パフェにトッピングされたイチゴがハート型になってるのを見て、「見て、これかわいい~」と呟きながら。
「羨ましいかな?」