フシギな片想い


「羨ましいよ、美雨は知らないと思うけど、児玉くんてそれはもう、モテてたんだから、他校の子たちがわざわざ学校に見に行く位」


そう思えば初めて会った時、真央の制服のボタンってなかったよな。


玲央さんが中学も男子校って言ってたから、他校の女子生徒が押し寄せたんだ。


彼のボタンを貰うために、芽衣子みたいに。


「児玉くんって家ではどんな感じなの?寝る時パジャマ派?それともスウェット派?」


「スウェットかな・・・」


え~!?と芽衣子は嬉しそうに声を上げる。


スウェット履いてるのがそんなに嬉しいのかな?っていうか、今朝は中学の頃のジャージだったけど、それはあまりにもダサいイメージなので秘密にしておこう。


「真央のどこが王子様なの?」


率直な疑問を投げかける。


王子様っていうのかわいい芽衣子的表現なのだろうか?私としては、一緒に暮らし始めて、真央に対する好感度は低いまま平行線を更新してるけど、モテる要素が解らない。


「え~、だってイケメンじゃん!」


芽衣子は即答する。


「え、そう?目つき鋭くない?無表情だし・・・」


「そこがいいんじゃん!他者を寄せ付けない感じが孤高のプリンス的な感じで、でも、お姫様のためには命を懸けて守ってくれそうなギャップが・・・」


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