フシギな片想い
本音、夜の公園
人気のない住宅街を駆け抜け、コンビニの前を通り過ぎ、巨大なタコのすべり台がある公園に出た。
最近は運動不足気味で、すっかり息が切れていた。
膝小僧に両手を付き、呼吸を整える。
背中にじっとりと汗をかいていた。全力疾走するなんて久しぶりだ。
呼吸が落ち着いたところで、公園の隅のベンチに腰を下ろした。
走ったら、少し気持ちが落ち着いた?
そんなことはなかった。
数分前に起こったことを思い出すだけで、ここから消え去りたいような気持ちになった。
膝を抱えてベンチに座った。財布もケータイすら持っていなかった。
とにかくあの場を離れたくて、家を飛び出して来ちゃったけど、これからどうしよう・・・真央が部屋に籠るまでは家には帰れない。
今日は真央が寝静まった後にこっそり帰るとしても、明日からはどんな顔して会えばいいんだろう。
弱みを握られた。
考えてもいい解決策は浮かんで来なかった。
溜息を吐き、空を見上げた。
星すら出ていない真っ暗な闇が広がっていた。
ぼぅとしながら、膝の間に顔をうずめる。