フシギな片想い


私は絶対選ばないだろう、ヒョウ柄のフードが付いた黒いパーカー。


フードまでかぶると暖かくて、ほのかに甘い香りがした。


真央がつけている香水なのかただの柔軟剤なのか。


その甘い香りは少しだけ私の心を癒してくれた。




真央の自転車に跨った。


走るスピードを追求されたロードバイクは車輪が細く、座高が高い。


足が届かなく、それでも足を伸ばしたら、吊った。


しばしその場で悶絶しながら、サドルを下げようとしても、電灯の微かな光だけでは頼りない。


___結局、自転車は押して帰った。


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