フシギな片想い
ふぅんと頷いた芽衣子は下を向き、考え込むような仕草をしたけれど、フクザツなんだねぇ~と呟き、移動する。
この話はここまでという意味みたいだ。
ベッドに端に座った芽衣子は私を見上げてにこりと笑った。
「美雨のママってやるね!年下の彼氏との恋愛なんてドラマみたい!不倫!ドロ沼!大人の恋愛!」
いや、不倫じゃないし、ドロ沼でもないから・・・きゃ~カッコイイ!と芽衣子は1人で盛り上がってる。
妄想機関車、発車しました。
昼下がりの侯爵夫人(キャスティング by ママ)と執事(キャスティング by 玲央さん)の情事でも妄想してるんだろう。
手足をバタバタさせて興奮している芽衣子を、微笑ましく見ていたら、コンコンと扉がノックされた。
「はーい」と返事をすると、
「美雨、お兄がメシだから降りて来いってさ」
どうやら、真央が呼びに来たらしい。
いつの間にか友達の家から帰って来てたみたいだ。
「うん、解った。すぐ行く」
返事をすると、そのまま階段を降りていく足音が聞こえてきた。
公園での出来事はもう数週間前のことになる。