フシギな片想い
「え~!?じゃあ、2人は元は同じ職場だったんですね?」
夕食が終わり、私たちはリビングのソファへと移動した。
玲央さんが私たちのために用意をしてくれていた食後のデザートの、とろけるプリンを片手に芽衣子は目を丸くしている。
ママは人懐っこい芽衣子をすっかり気に入ったらしく、芽衣子の隣に座ると、地下室から高級ワインを持って来た。
ママが自分へのご褒美に開けるワインだ。
「ホント、芽衣子ちゃんが未成年なのが惜しいわ・・・20歳になったら、一緒にお酒飲もうね~」
ほろ酔いのママはね~と芽衣子を首を傾げ合う。
娘の私が恥ずかしくなる。芽衣子は気にしてないと思うけど。
「それで、それで?2人はどうやって付き合うことになったんですかぁ?」
芽衣子は玲央さんとママの馴れ初めに興味津々らしく、2人を交互に見ながら、訊ねる。
「いつだったかなぁ、私が会社辞める時の送別会だったかしら?」
ワイングラスを片手にソファの上で片膝を立てるママは、恥ずかしそうに玲央さんを見つめてた。
「そう、これで最後だって思って、勇気を振り絞って、晴美さんに告白したんだ」
「え?じゃあ、玲央さんから告ったんですか?きゃ~」
芽衣子は手を叩いて喜んでいる。ていうか、私、1人だけ蚊帳の外なんですけど・・・ママの馴れ初めなんて聞きたくないし、聞きたくなくても聞こえてくるけど。