フシギな片想い


「へぇ、宇宙に憧れる執事もカッコイイなぁ・・・洗面所にあったドライヤー使わせてもらったよ」


うんと頷き、芽衣子の布団用意したよと私のベッドの横を指さすと、「ピンクの布団だ。かわいい~ふかふか~」と早速、布団に潜り込んでいた。


テストが終わったのと、ママや玲央さんとリビングで話込んだので、疲れしまった私たちはお互い布団に潜り込んで、電気を消した。


明日は芽衣子と何をしようか?うとうとしながら頭の中でぼんやりとそんなことを考えていたら、「ねぇ、まだ起きてる?」と芽衣子が訊ねてきた。


「うん、起きてるよ。何?」


そう訊き返すと、芽衣子は暗闇の中で寝返りを打ったのか、布団が擦れる音がした。


「美雨のママって、かわいいね」


かわいいって歳じゃないと思うけど・・・そうかな?と返すと、


「うん、かわいい。大人なのに、女の子の心を忘れてないっていうか、初対面の私にもすごく話してくれて、愚痴まで聞けて、人と人の間に壁を作らない人なんだなぁって思ったよ」


だから、ママはみんなに好かれるのだ。


知ってるから、それに比べてと私は落ち込むのだ。


「きっと、働いている時はカッコイイ出来るオンナなんだろうなって思った。あんなに楽しそうに酔っ払うなんて、美雨のママにとって、家って落ち着ける所なんだろうなぁ。オンとオフを使い分けてる人って憧れちゃう。私も美雨のママみたいなステキな女性になりたいな」


いくらなんでも褒めすぎだよ。


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