心の声

(どうせ引越しちゃったんだから

みんなにはバレないよね

勇二に告ったけど、フラれたなんて

かっこ悪くて言えないよ)

愛子・・

真唯はやっと理解できた気がした

そして、その人を見た

「そうです!

ここは、心の声と

心ののままに

顔の表情も現れます

おとといも一年前も

10年前も、千年前も

見ることができますよ」

・・・・

真唯は絶句した

その人は続けて言った

「美咲さんというお友達がいますね」

はい・・

美咲が何か・・

美咲は先週ママから離婚すると

言われたらしいけど、

女同志、仲良くやるっきゃないねと

意外にあっさりしていた

「どうぞ、こちらの部屋へ・・」



2014年6月7日


「美咲、話があるの、ここにすわって」

あっ美咲のママだ!

「ママ、パパと別れることにした」

「そう、わかった」

(やっぱり別れちゃうんだ・・

このごろ、いつも言い争いしてたしね)

「あれ~!もうちょっとびっくり

するかと思ったな」

「だって、ママずっと悩んでたし

パパは最低だよ、当然当然・・」

(ここで私が何言ったって

ママの決意は変わらないでしょ)

「そっかあ、美咲ありがとう

美咲はママの一番の理解者だね」

「話ってそのこと?

私、じゃあ寝るね、おやすみ」

(早く・・

早く自分の部屋に行きたいよ・・)

美咲は自分の部屋に駆け込んだ

(いやだよ、ママいやだよ

ママ、パパのことそんなに

嫌だったなんて・・

こんなに早くこの日が来るなんて

いやだよ・・

けんかの声も聞きたくなかった

ちゃんと話し合って決めたの?

何が原因か知らないけど

いやだ・・)

美咲は枕に顔を埋めた

(ママに聞こえたら大変・・

声を出して泣いちゃだめ)

美咲の目から涙がポロポロこぼれた

(ママ・・もう私が何言ったって

だめだよね、ママに従うしかないよね

反対なんかしたら

苦しむのはママだもんね

いやだなんて絶対言えない・・)

みさき・・・

真唯は驚いた

真唯に話してくれた時は笑みさえ

浮かべていたのに・・

美咲ごめんね

ごめんね美咲

知らなかったよ・・

こんなに苦しかったんだ・・

真唯は何度も何度もあやまった

「悲しい現実ですね」

その人が静かに言った























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