心の声

たしか、ドロボーは捕まらず

逃げられたと言ってた



幸い、台所に置いてあった

現金3万ちょっとを

盗まれただけだったと・・


必死に逃げるドロボーの姿が見えた

やさしい表情だった

(おばさん、ごめんなさい・・

ほんとに、ごめんなさい

許してください

いつか、必ず返します)

え~!!

真唯は目を疑った

それは

おとうさんのお兄さんの息子

親戚の啓くんだった

高校を卒業しても

就職が決まらず、おばさんが

困っていたとおかあさんが

言っていた気がする

今はコンビニの店長さんになり

毎年、暮れになると

我が家にカニやメロンや

おいしいものをたくさん送ってくれる

そうだったんだ・・

< 33 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop