心の声
その人がしゃべりはじめた
「あの安藤くんという少年
あの少年は期待されると
怖いのです
小さい時から
期待に応えられないと
ご両親、特にお母さんから
ずいぶんひどく叱られて
育ってきたのです
小さい時は自我意識が
あまりないので良かったですが
成長と共に
失敗すると叱られるという
恐怖心が先行してしまうのです
安藤くんのお母さんの心の声は
いつも彼を責めてばかりです
2才年下の弟さんが可愛くて
彼の事をどこか嫌っているのです
それが、ものすごい圧力になり
彼はいつも苦しんでいます
だから、あんなふうに
引っ込み思案になってしまい
話もしなくなりました」