眼帯少女と暴走族
第一章
プロローグ
夢を見たんだ…。
あの日、あの場所で何があったかよく分からないけど…その夢は鮮明だった。
でも、起きると何にも覚えてない。
誰が出てきたか。私はいたのか。どんなことをしていたか。
何にも覚えてない。
もしかしたら私の記憶が思い出すのを拒否しているのかもしれない。
それでも知りたいんだ。その記憶に何が隠されているのかを。
気にならないと言ったらウソになる。
多少は気になる。でも、私が一番知りたいのはあの日に何があってどうなったのかだけだ。
それさえ知れば、私も“あの人”もこんなにも苦しまずに居れるのに。
…ねぇ、誰か教えて…?
あの日の事を…。