鯉に咲く桜
この男、欧州の者だったのか…!

「僕の名は鯉桜。
関東妖怪任侠一家、奴良組直系長男である。
死神と言ったかい。
君達の目的が日ノ本を襲うことならば、僕達にも考えがある。

君達のボスに伝えるが良い。
受けてたつ、とね。」


ヒヒヒ、とまた不気味な笑い声をあげて、
死神は何も言わずに去って行った。

その場に僕だけが残る。

「鯉桜様!?」

どうしようか、と考えていたら空から慌てた声がする。
まぁ、誰かは予想はつくんだけど。

「やぁ、ささ美。見回りご苦労様。」

「また抜け出していたのですね!?
最近の夜は危険だとご忠告致しましたでしょう!」

「あぁ、それについてだけど。
理由が分かったよ。至急幹部を集めてくれるかな。
ご隠居と会長も出席するようにと伝えてくれ。
後、鴉に見回りだけさせておいて。
何かあったら僕に伝えてほしいと。」

これは、また日本に新たな危機が迫っている。

「!?…はっ!」

護ってみせるさ。

人間も、妖怪も。

もう、誰も傷付けさせはしない。

もし、平和を乱す奴等が僕の前に現れたら。
二度と復活できないように。

完膚なきまでに叩き潰してやる。

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