恋の神様はどこにいる?
☆気持ちが知りたくて…

志貴が食べ始めるのを見届けてから、私も塩焼きそばを口に運ぶ。

自慢していただけあって、さすがに美味しい。海鮮から旨味がたっぷり出ていて、さっぱりしてるのに奥が深い味わいに大満足。

「志貴、すっごく美味しい」

「当たり前だ。誰が作ったと思ってんだよ」

ピクリとも顔色を変えず、さも当然と言わんばかりの顔はちょっと小憎たらしいけれど。今日のところは、この味に免じて許してやろう。

なんて、声に出しては言えないところが悲しいけれど。

「なあ、小町」

「うん?」

「今日兄貴と、何話してた?」

「千里さんと?」

いきなり何を言うかと思ったら、神社でのことか。

あの時の志貴、かなりご立腹の様子だったから。でもそれは、自分の大事な玩具を取られて怒っていただけのことだと思うけど。

千里さんも千里さんだ。志貴が怒ることをわかっていて私のことを抱きしめたりするから、ややこしいことになってしまう。

「大したことは話してないよ。巫女のことについて、いろいろ聞いたりって感じ?」

「なんで小町が、巫女の話なんて聞くんだよ?」

「え? あ、それは……」

千里さんに話したからもう済んだ気でいたけれど、私まだ志貴に会社辞めたこと話してなかったんだ。




< 107 / 254 >

この作品をシェア

pagetop