恋の神様はどこにいる?
☆気持ちが知りたくて…
志貴が食べ始めるのを見届けてから、私も塩焼きそばを口に運ぶ。
自慢していただけあって、さすがに美味しい。海鮮から旨味がたっぷり出ていて、さっぱりしてるのに奥が深い味わいに大満足。
「志貴、すっごく美味しい」
「当たり前だ。誰が作ったと思ってんだよ」
ピクリとも顔色を変えず、さも当然と言わんばかりの顔はちょっと小憎たらしいけれど。今日のところは、この味に免じて許してやろう。
なんて、声に出しては言えないところが悲しいけれど。
「なあ、小町」
「うん?」
「今日兄貴と、何話してた?」
「千里さんと?」
いきなり何を言うかと思ったら、神社でのことか。
あの時の志貴、かなりご立腹の様子だったから。でもそれは、自分の大事な玩具を取られて怒っていただけのことだと思うけど。
千里さんも千里さんだ。志貴が怒ることをわかっていて私のことを抱きしめたりするから、ややこしいことになってしまう。
「大したことは話してないよ。巫女のことについて、いろいろ聞いたりって感じ?」
「なんで小町が、巫女の話なんて聞くんだよ?」
「え? あ、それは……」
千里さんに話したからもう済んだ気でいたけれど、私まだ志貴に会社辞めたこと話してなかったんだ。