恋の神様はどこにいる?
★突然現れた幼なじみ?
「今日は、ありがとうございました。失礼致します」
「小町ちゃん。仕事は来週からだけど、いつ来てくれても構わないから。何なら今からどこかで一緒にお食事でも……」
「母さん、それはまた今度ってことで。ちょっとそこまで、小町を送ってきます」
「ああ、わかった。小町ちゃん、またね」
「千里さんも、ありがとうございました」
ふたりに挨拶を終えると、母屋を後にする。
「志貴も、ありがとう」
「なんだよ。そのオマケみたいな言い方は。やっぱりこれは、罰が必要だな」
「オマケみたいな言い方なんて、してないでしょ!! もう、すぐに突っかかってくるんだから」
と言いつつも、その“罰”ってやつがどんなものか気になるところで。
またこの前みたいな甘い罰なら、何度だって受けてみたい。なんて思ってしまう私は無意識に志貴を求めてしまい、身体の一部が熱を持ち始めたのに気づく。
イヤだ。どうしちゃったっていうの、私。
ひとりでそんなことを考えて、頬がみるみる紅潮していくのがわかる。
「おいおい、なんで顔真っ赤にしてんだよ?」
「なんでもない!!」
「罰って言われて、またエロいこと考えてたか? しょうがないやつだな」
「な、何よ?」
志貴は容赦なく私の腕を摘むと階段の方ではなく、母屋の横にある倉庫らしい建物の裏へと私を引っ張っていった。