恋の神様はどこにいる?

『急に黙って、どうしたんだよ?』

「あ、ごめん。なんでもない」

本当は、何でもなくないんだけど……。

嫌だな、こんな自分。グジグジしているのは性に合わないのに、ここのところの私はひとりで考えては落ち込むの連続で。

こんな自分になるのは初めてのことで、どう対処すればいいのかわからない。

私って今まで、どんな恋愛をしてきたんだろう。

『何か小町、元気なくないか? 腹でも減ってんのか?』

「子供じゃないんだから、お腹減ったくらいで機嫌は変わりません」

『いや、小町ならあり得るだろ』

なんて言って、クククッと笑う志貴。

志貴のせいでこんな状態になっているっていうのに、いい気なもんだ。

『また黙る。怒ったのか?』

「別に、怒ってませんけど」

『その言い方が怒ってるって言うんだよ。飯、食いに行くか?』

「え?」

『まだ仕事何時に終わるかわかんねーけど、待ってられるなら連れてってやる』

何だその、上から目線の言い方は。ちょっと気に食わないけれど。

でももしかすると、私の様子が気になってご飯に誘ってくれているとか? 志貴ってそういうところ、結構敏感だから。

だとしたら、断る理由はない。



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