恋の神様はどこにいる?
私の元気がない理由は志貴、あなたのことが気になってしょうがないからで。その気持ちを解消できるのは、志貴しかいなくて。
五鈴さんのことは気になるところだけど、志貴とふたりでいられればその時だけは彼女のことも忘れられる。
「待ってられる……けど」
『マジでちょっと遅くなるかもしんねーけど、いいか?』
「大丈夫」
『よし。じゃあ終わったら連絡する』
「うん、わかった」
スマートフォンを切ると、ひとりガッツポーズを決めて雄叫びを上げた。
「よっしゃ!! 志貴とご飯決定!!」
勢いついたままベッドにダイブすると、嬉しさから枕を掴み右へ左へと身体を揺らした。
志貴の言葉ひとつで、こんなにも気持ちが軽くなるなんて。私も大概、現金な女だ。
どうして誘ってくれたかは二の次。志貴と一緒に入られることに意義がある!!
なんて、そんな大層に言うことじゃないけれど、今の私にとってはとても重要な事で。
「そうだ。何着て行こう?」
ピタッと身体の動きを止めると、ムクッと起き上がる。
デートするわけじゃないから、そこまで気合を入れることはない。ないけれど、やっぱり志貴の前では可愛くいたいじゃない?
クローゼットの前に立つと、両開きの扉を力いっぱい開けた。