恋の神様はどこにいる?
「長浜ラーメンふたつに、ひとくち餃子ふたつ。後、特製チャーハンもふたつ。以上で」
「はい!! 少々お待ちください!!」
店員さんの威勢のいい声に少々驚きながらも、志貴に声を掛けた。
「ねえ志貴。私そんなに食べれ……」
「食え。てか、お前腹減ってんだろ? 金のことは心配するな。俺が誘ったんだ、奢ってやる」
いやいや、心配しているのはお金のことじゃなくて、体型のことで……。
そんな気持ちのままに食べていたら、いつまで経ってもポッチャリから脱却できない。
雅人さんの店でお肉をガッツリ食べる姿を見せてしまったから、大食らいのイメージがついてしまっているんだろう。
「そういうことじゃなくて、女子的なことで……」
「はあ!? 女子的って何?」
「だから、その……体型を気にしてるっていうか、ダイエットしなくっちゃっていうか」
「ああ、そういうこと。だったら気にするな。俺はそんなこと、全く気にしてないからな」
「ええっと、それって……」
どう解釈したらいいんですか? 志貴が気にしてないから、私は今のままでいいってこと?
志貴のことが好きな私にとってはありがたい話だけど、その発言は彼氏がいう言葉であって志貴が言うのはちょっと。
また勘違いしちゃいそうになるじゃない……。
志貴にバレないようにため息をつくと、「いただきます」と言って目の前に置かれた餃子に手を伸ばした。