恋の神様はどこにいる?

志貴の車が見えなくなると、階段を駆け上がり部屋へと急ぐ。

「あぁ、もう!!」

慌てているからか、鍵が鍵穴になかなか入らなくて焦る。やっとのことで鍵が入ると、ガチャガチャと慌ただしく鍵を開けた。

靴を乱雑に脱ぎ捨てるとベッド目指して走りだし、大きくダイブする。

「もう、何なのよ!! あんなことされたら、寝られるわけないでしょっ!!」

布団をボフボフ叩くと、クルッと仰向けになり天井を仰ぎ見た。

そこに浮かび上がるのは、コロコロ変わる志貴の顔。

妖艶に微笑んだと思ったら、急に焦ったように馬鹿って言ったり。

“馬鹿な子ほど可愛い”って言った時は愛おしそうに見つめるもんだから、呆然としてしまった。

でもそれってどういう意味?

昔、まだ私が子供の頃、父親がよく言っていた言葉。


馬鹿な娘ほど可愛いんだぞ───


それと同じこと?

だとしたら、志貴は私を子供扱いしてるのかな?

神社で神様に『エッチができますように』なんて、二十四にもなってお願いしちゃうような女、どう見ても子供っぽい。



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