恋の神様はどこにいる?
★仕事に対する姿勢
「小町ちゃん、待ってたよ~」
社務所に入ると待ち構えていた千里さんにいきなり抱きつかれ、熱烈な歓迎を受ける。
ともすればキスさえされてしまいそうな顔の近さに驚いていると、志貴に腕を引かれ千里さんから離された。
「兄貴、いいかげんにしろよ。これから毎日、こんなことするわけ?」
「えぇ~、いいじゃないか。小町ちゃんは、みんなのものだろ?」
「みんなのものじゃないから」
「へぇ~。じゃあ誰のものって言うの?」
千里さんのいつもの挑発に志貴は眉をピクッと動かすと、ニヤリと笑ってみせる。
「兄貴のものじゃない。ってことだけは確かだな」
「今のところはね」
ふたりの間に、バチバチと火花が散って見えるのは私だけ?
ホント、相変わらずこのふたりは。
私は誰のモノでもない。まあ、欲を言えば、し、志貴のモノになりたいけれど……。
って、言っちゃった!!
「小町。顔が気持ち悪い。またひとり妄想中か?」
ヤバッ!!
志貴と千里さんに考えてることが顔に出ると言われてから、気をつけるようにしていたのに。志貴の事を考えると、良いことも悪いことも頭の中が全部妄想でいっぱいになってしまい、止まらなくなってしまう。