恋の神様はどこにいる?
「まあまだ一ヶ月経ってねーし、俺がおまえに落ちたら付き合ってやるな」
な、なんだ、その上から目線は!! 偉そうなのはわかっているけど、この状況でよくそんな態度が取れるもんだ。
「別に付き合ってくれなくてもいいし。神様に新しい彼氏ができるよう、お願いしてあるから大丈夫だし……」
あぁ~、私って可愛くない。どうしてもっと素直になれないのかと、自分でも情けなくなってくる。
「ホント、可愛くね~ヤツ」
ほら。志貴だって呆れ顔……じゃない?
呆れてため息でもついてるのかと思ったのに、その顔は愛おしいものでも見るかのように優しく微笑んでいて。
自分でもちょっとおかしいんじゃないのってくらい、鼓動が速くなっていくのを感じる。
そんな笑顔見せるなんて、志貴はやっぱりズルい。私の気持ちばかり翻弄させて、自分は偉そうに上から目線なんて。
「どうせ可愛くないですから」
「ま、おまえみたいに素直じゃなくて可愛くない奴にでも、おまえじゃないと駄目だって男がそのうち現れんじゃないの?」
「一言余分」
私の頭に手を乗せてポンポンと叩きながら笑う志貴はとても嬉しそうで、なんだかひとりで怒っているのがバカバカしくなってきた。