恋の神様はどこにいる?
神前挙式といえば、角隠しに綿帽子。綿帽子には『挙式が住むまで新郎以外の男性に顔を見られないように』という意味が込められていて、文金高島田の上に深くかぶり、白無垢と合わせて着けるのが習わしだとか。
お神酒をひとつの器で共飲することにより、一生苦労を共にするという誓いを意味する“三三九度”。
結婚の奉告に、夫婦として助けあって生きていくことの近いが込められた“誓詞奏上(せいしそうじょう)”。
厳かな雰囲気の中とり行われる式に、女性なら誰もが一度は憧れたことがあるだろう。
その手伝いをできることは、この上ない喜びだけど。
まだ巫女を初めて二~三週間の私には荷が重いというか、どうして? と首をひねってしまう。
立派な巫女にはまだ程遠いけれど、仕事が終わったあと毎日と言っていいほど巫女舞の練習はしていて、少しは様になってきていると思う。
だけど五鈴さんを差し置いて、私が人前で舞うというのはちょっと……。
でも和歌ちゃん『それに今回は』と、何か言いかけていたような。
今回は何があるって言いたかったんだろう?
戻ってきたらきいてみればいいか。
そう思って仕事を始めた私は、すぐにそのことを忘れてしまい。結局和歌ちゃんが戻ってきた後も聞くことなく、夕拝の時間を迎えてしまった。