恋の神様はどこにいる?
★勘違いの告白
次の日から四日間。いつも以上に仕事に集中し、舞いの稽古も頑張ってきた。
志貴に自分の気持ちを伝えるかは、まだ決めかねているけれど。
とにかく今は、志貴に会いたくて仕方がない。
思いが届くことはもう無くなってしまったけれど、やっぱり志貴には頑張っている姿を見てほしいから……。
金曜日には戻って来るという言葉を信じ、待っていたんだけど。
「志貴から連絡あって、今日は戻るの遅くなるって」
千里さんがそう話してるのを聞いて、寂しさを隠し切れない。
これで会えるのは、明日の挙式当日となってしまう。
一日前の今日だったら、いつもの私で、笑顔で、志貴に会えたかもしれないのに……。
「小町ちゃん、この頃ちょっとおかしくない?」
ボーッと突っ立ている私を、覗きこむようにして千里さんが言葉を掛けてきた。顔の近さの驚き、おっと一歩下がる。
「千里さん、近いですよ」
「だって小町ちゃん、心ここにあらずって感じだし。心配になっちゃって」
心配とか言っている割に、顔がニヤニヤしているのが気になるところだけど。
でもいつもと変わらない千里さんに、心がほっこり温かくなる。
「明日初舞いかと思うと、ちょっと緊張しちゃって」
「昨日僕も見たけど、小町ちゃんなら大丈夫。小町ちゃんらしい舞いを見せてね」
私の頭をポンポンと撫でると、いつもの笑顔を見せてくれる。