恋の神様はどこにいる?
「だって、馬鹿は馬鹿でしょ?」
「馬鹿に馬鹿って言われたら、俺もおしまいだな。俺にそんなこと言うの、小町くらいだよ。バーカ」
志貴がそう言うと、また唇に感じる温かい感触。今度は、志貴からの愛情がたっぷり詰まった濃厚なキス。それに応えるように志貴の首に腕を回すと、強く唇を押し当てた。
時折志貴から漏れる吐息が顔にかかり、それが私をますます夢中にさせる。
志貴がチュッと音を立てて唇を離した時には、立っているのがやっとの状態で。志貴に抱きかかえられると、ふっと身体の力を抜いた。
「俺が欲しくなった?」
艶気を含んだ低い声で、耳元に囁かれ。キスで熱くなった身体はより一層熱さを増し、私の中心を刺激する。
それはきっと、私が志貴を求めている証拠で。
志貴が欲しくてたまらない───
でもそんなこと、恥ずかしくて自分の口からは言えなくて。
「わかん……ない」
そう言うと、ギュッと志貴にしがみついた。
「わかんない、か。まあ、欲しくないって言われなかっただけマシだよな。ホントはもうちょっと先に進みたいところだけど」
志貴は私の身体の線を撫でるように動かすと、腰のあたりで手を止める。