恋の神様はどこにいる?
「止められなくなりそうだから止めとく。今晩、続きしてやるから泊まってけ」
「続きって!?」
志貴は私の反応を見て笑うと、ゆっくり身体を離した。
今日の泊まるは、この前の泊まるとは意味合いが違う。恋人になって初めてのお泊り。しかも続きって。
志貴の言葉が何を意味しているのかわからないほど、私は子供じゃない。でも私の場合、心と身体がちぐはぐで。
志貴に身体を許すことができるのかな……。
「またエロいこと考えてんな。続きって言うのは、話の続き。いろいろ話したいこともあるし、おまえも俺に聞きたいことあんだろ?」
「あ、あぁ。話の続き。そうだよね、私もそう思ってたよ。志貴ったら、何言っちゃってるの?」
良かったような、残念なような。複雑な気持ちが入り混じり、あははと決まり悪げに苦笑する。
志貴のことは大好きだけど、ただその想いだけで身体を重ねることが出来るのか。正直なところ、まだ不安のほうが大きくて。
「今は余計なこと考えんなよ。まずはいず兄と五鈴の式を無事に終えること。小町は浦安の舞を奉奏すんだろ? 俺がいない間も、ちゃんと稽古してたか?」
「うん、もちろん」
そうだよね。今は他のどんなことより、今日の結婚式のことを一番に考えなくちゃいけない。
志貴とのことは、全部が終わってからゆっくり考えよう。その時は、心のままに素直になって。
「よし、いい顔になったな。ちゃんと見守っててやるから、安心して舞ってこい」
志貴の優しい言葉に大きく頷くと、仕度をするために離れを後にした。