恋の神様はどこにいる?
なんだか嫌な予感……。
この顔をするときの志貴は、ろくなことを言わない。
今回もそうであろうと身構えると案の定、志貴は身体を近づけた。
「泊まる準備もしてこいよ。いいとこ連れてってやる」
耳元で熱っぽく囁く声は、それだけで私の身体を刺激する。
いいとこっていうのも気になるところだけれど、それより今は泊まることで頭がいっぱいで。
志貴、続きしてやるって言ってたけど。本当に話しの続きだけ、するつもりなのかな。
いい歳した男と女がふたりっきりなんだよ? 気持ち通じ合ったのに、志貴はそれだけで我慢……出来るのかな。
志貴の気持ちが知りたくて、目の奥を覗くように見つめてみても、なかなか真意は見えてこなくて。
「何、そんなに見つめてんの?」
なんておでこをピンッと弾かれて、軽くかわされてしまう。
もしかして志貴は、エッチができない私に気を使ってくれてる?
正直なところその時が訪れた時、自分がどんな反応をしてしまうのか。自分でもよくわからなくて。
もし今回も拒絶反応が出てしまったら、志貴も私から離れていっちゃう?
それが怖くてたまらない。
「泣きそうな顔してどうした?」
「ううん、なんでもない」
でもそれを悟られたくなくて、強がって見せた。