恋の神様はどこにいる?

「四年前華咲神社にいた、金髪のチャラそうな男。本当に覚えてないか?」

金髪? チャラそう? 四年前……。

「ああっ!!」

思い出した!! 

確かあの日は、『お前の身体って、つまんねーな』と言われた、悪夢のような日から一ヶ月くらい経った時で。私は朝早く目が覚めると、華咲神社に向かったんだ。

大好きだった人からヒドいことを言われて、身も心もボロボロだった私は藁をもつかむ思いで神社に行き、『心の傷を癒してくれる、素敵な人が現れますように』とお願いをした。

とその時、後ろに人の気配を感じて振り向くと……。

「いきなり私を抱きしめたの、志貴だったの?」

「やっと思い出したか。俺はすぐにあの時のおまえだって気づいたのによ」

「だって、今の志貴と別人だよ? わかるはずないじゃん」

私の記憶が正しければ、あの時の志貴はネックレスやブレスレットじゃらじゃらで、ピアスは片方の耳に何個付いてるの? ってくらいぶら下げていて。

でも金髪の長い前髪から覗く目は、どことなく淋しげだったのを思い出す。

「ちょっとからかってやろうと思って近づいたのに、おまえいきなりなんて言ったか覚えてるか?」

思い出しそうで思い出せない言葉に、小さく首を振る。



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