恋の神様はどこにいる?
☆恋の神様はどこにいる?
夜が明けるのが、こんなにも早いと思ったことはない。
それもそのはず。
時計を見れば朝の七時。でも寝たのは三時間前の四時で……。あっという間に、夜が明けてしまった。
どうしてそんな時間まで起きていたのか。そんな野暮なことは聞かないで欲しい。
志貴も私も偶然今日は休みで、そんな早く起きなくても良かったんだけど。ついいつもの癖で、この時間に起きてしまった。
隣を見れば、志貴が気持ちよさそうに寝ている。
「人の気も知らないで」
身体中のあちこちに、昨晩愛された鈍い痛みがまだ残っていて。
そこが疼くと志貴にされたことを思い出してしまい、朝っぱらから赤面してしまう。
元カレたちにはあれだけ頑なに拒んできたエッチを、どうしてすることができたのか?
きっとそれは、志貴が私の身体だけじゃなく心までをも溶かしてくれたから。
ほとんど処女と言っても過言じゃない私の身体は、志貴色に染め上げられて。まだその熱は、身体に残ったまま。
掛け布団を捲りまだ何も身につけていない自分の身体を見れば、小さな赤い薔薇の花が全身に咲き誇っていた。
それは私が志貴のモノになった証。ずっと残るものではないけれど、消えたらまたすぐに志貴が新しい華を咲かせてくれるだろう。
そう思うと嬉しくて、自然と笑みが漏れてしまう。