恋の神様はどこにいる?

「おい志貴。女の子をそんなに追い詰めて、どうするんだよ」

「は? 小町はいいの。俺んだって言っただろ。なあ、小町の仕事はもう済んだよな? 連れてくぞ」

「あ、ああ。小町ちゃん、今日は本当にありがとう。またいつでも遊びにおいで」

「はい、ありがとうございます。じゃあ、失礼します」

千里さんと和歌さんに挨拶をすると、授与所を後にした。

またなにか怒っているのか、志貴は私の少し前をひとり黙々と歩いて行く。

もう、私が何したっていうの? そんな怒ってばかりだと、女の子にモテないわよ!!

なんて、そんなこと口に出して言えば『そんなことおまえに言われる筋合いない。放っとけ』って言われるのは目に見えている。だからお口にチャックだけど。

もう少し女の子の扱いには気をつけて欲しいもんだ。

昨日志貴に初めてあった時に見せてくれた、ニコッと微笑むあの笑顔。

あの顔からは、優しさがあふれていて。

あんな素敵な笑顔、無理やり作れるものじゃないんだと思うんだけどなぁ……。

そんなことをボーッと考えながら歩いていたから、志貴が立ち止まってこっちを振り返っていたことに気づかずポフッとぶつかってしまった。
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