恋の神様はどこにいる?

「ちょっとあんたたち、ここをどこだと思ってるの? やるんだったら表に出てちょうだい!!」

女性にそう言われて、おとなしくなるふたり。

うわ~、綺麗な人。それにスパッとふたりに言い放っちゃってる姿が、すごくカッコいい。

ふたりを睨みつけながら腕組をして立っている女性に見惚れていると、私の視線に気づいたのかその女性が目線をこちらに向けた。

「あ、ごめんね。びっくりしたでしょ? このふたり、学生の時からこんな感じでね。でも心配しないで。本当はすっごく仲がいいのよ。もう私が妬けちゃうくらい」

そう言うと、雅斗さんの腕に絡みつく。

「お、おい。お客さんの前では止めろって、いつも言ってるだろ」

「だってぇ、志貴とばっかり仲良くしてるんだもん」

「「してねーってんの!!」」

おお、ハモった。仲がいいっていうのは、間違いないみたいだ。

ひとりふむふむと頷きながら納得していると、志貴が私の頭を小突く。

「小町おまえ、今、紗和(さわ)の言葉に納得してただろ?」

「し、してないし。っていうか、手を出すのやめてよ。痛いじゃない!!」

「ちょっと小突いただけだろ。大げさな奴だな」

なによ、その言い草は!! まあ確かに、納得はしてたけどさ……。

でもね、どんなことがあっても男は女に手をあげちゃいけないんだって、学校で習わなかった? あれ? 違うか?

とにかく、なんで素直に謝れないのよ、コイツは!!



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