恋の神様はどこにいる？

志貴もそのことに関して何も言わないから、しょうがないといえばしょうがないんだけど。

かと言って千里さんの前で堂々と宣言したみたいに、『コイツは俺の玩具だ』なんて言われるのも恥ずかしい。

だから自分から言ってみたんだけど……。

「なに。今のところって、小町ちゃんは志貴のことが好きなのか？　なあ、そうなのか？」

私が最後に付け加えていった言葉に、雅斗さんが食いついてしまった。

ああ、失敗した。私、なんであんなこと言ったんだろう。

あれじゃあ、『今のところは彼女でもなんでもないですけど、いずれは志貴さんの彼女になれればいいなぁ～なんて思ってます』と言ってるようなものだ。

「そ、それはですね……」

なんて言葉を濁しながら、志貴に助けを求めてみたんだけど。志貴の口から出た言葉は……。

「好き嫌いは関係ない。小町は俺のなの。わかったか？」

「はあ？　言ってる意味わかんねーし」

「別に雅斗にわかってもらわなくてもいいつーの」

「でも志貴おまえ、確か四年前に好きな女ができたとか言って、神主の仕事を真面目にやりだしたんじゃなかったっけか？」

「おまえ、そんな話よく覚えてんな。その話はいいだろ」

何？　志貴って好きな人がいるの？　私には聞かれたくない話？