恋の神様はどこにいる?
★酔っぱらいと送り狼
「志貴のバッカ~。なんれいつも、意地悪ばっか言うのよぉ~」
「小町、飲み過ぎ。おまえって絡み酒かよ」
「放っとけ~。絡まれる、志貴が悪いんれしょ?」
もう何杯飲んだのか覚えてない。ろれつは回らないは志貴に絡むは、自分で自分が手に負えない状態になってしまっていた。
「おい志貴、小町ちゃん大丈夫か? おまえ、送り狼になるんじゃねーぞ」
「こんな酔っぱらい相手に、そんなことなるか」
「でへへ、いいですよ~狼になっても。でも私はエッチのできない女なんで、ご期待には応えられませんけどね~」
「はあ!? エッチできないって、志貴、今のどういう意味だよ?」
「まんまの意味。まあ俺としては、待ったかいがあったというか良かったというか。とにかくだ、大事に思ってるから雅斗は心配するな」
大事? 誰が? ああ、志貴の好きな人のこと? やっぱり志貴、好きな人がいるんじゃない。
なんて空っぽな頭で考えていると、その頭にふわっと手が置かれた。
「うん? 志貴な~に?」
「なんでもね~よ。……なあ雅斗。四年も思い続けた女が手に入りそうなのに俺さ、正直ビビってんだよね」
「おまえ、まさか……」