恋の神様はどこにいる?
それに、ひとりで食べる食事は味気ない。だったら何を食べても一緒という結論に達してしまい。朝は菓子パン、夜はコンビニや仕出し屋の弁当で十分、なんて日々だらしない女子力ゼロの女になってしまっていた。
彼氏ができても、その生活は特に変わることがなくて。
あの四年前の出来事以来どの彼氏と付き合っても三ヶ月保たなくて、家に招待する関係にまで辿り着かなかった
から、特に気にすることもなかったんだけど。
でも今日は違う。目の前にある料理は簡単でも、志貴が私のために作ってくれたもの。トーストを一口かじれば、それはまだ温かくて。今まで食べてきたどんな朝食よりも、美味しく感じてしまう。
なんて、それはちょっと大げさかもしれないけれど。
でもやっぱり誰かと一緒に食事をするのは楽しい。特別な会話がなくても、目の前に誰かがいてくれるだけで、安心するというかホッとするというか。
牛乳を飲みながら目線を上げると、新聞を読みながらコーヒーを飲む志貴の横顔が目に入る。
志貴って性格はちょっと難ありだけど、やっぱりカッコいい。
特に神主の装束を着ている時の志貴は普段のラフなイメージと違い、髪型もピシッと決まっていてデキる男を醸し出していて。
これで性格まで良かったら私が落とすまでもなく、もう既に素敵な女性が彼の隣にはいただろうと思ってしまう。