恋の神様はどこにいる?
そして彼氏に振られるたびに、愚痴っては慰めてもらっていたんだけど。
「じゃあ今回は、彼氏に振られた&会社をクビになった小町にカンパーイ!!」
「ちょ、ちょっと香澄!! いつも思うんだけど、なんで振られたことがカンパーイになるわけ? それに私、会社をクビになったんじゃなくて自分から辞めてきたの。そこのところ、間違えないでくれるかなぁ」
「でも小町の話し聞いてると、どっちかといえば“クビ”の方が合ってるような気がするのは私だけ?」
「うぅ……」
確かによくよく考えて見れば、最初から仕組まれていた解雇(クビ)と言えなくもないけれど。
どうして私がこんな目に合わなくちゃいけないんだろう。
「で、これからどうするつもり? しばらくはアルバイトでもしながら職探しする? バイト先なら、いくつか紹介できるところがあるけど」
「う~ん、バイトか……。出来れば、すぐにでもちゃんと正社員で働きたいんだけどなぁ」
そう香澄に言葉を返した時、ふと志貴の顔と車の中で言われた言葉を思い出す。
すぐに会社辞めて、神社で巫女として働け───
「あ……」
「何? どこか正社員募集してるところでも思い出した?」
「え? あ、うん。思い出したというか、今朝言われたばかりというか……」
「小町、何言ってるの? 今朝って何? ちょっと、ちゃんと話してみなさいよ!!」
香澄はテーブルに身を乗り出すと、私の胸ぐらグッと掴んだ。