恋の神様はどこにいる?
★何様、俺様、勝手様
「ということで、神頼みってわけです」
気づけば辺りは薄暗くなっていて、この場所だけ外灯に照らされていた。
こんなに暗くなるまで話していたなんて。しかもいくら優しくても、今日会ったばかりの見知らぬ男性に。
話してみない? とは言われたものの急に申し訳ない気持ちが膨らんできて、隣に座っている彼を見てみると……。
あれ? 俯いて肩を震わせている?
え、なんで? どうして? もしかして、私の話を聞いて泣いてくれているとか?
嘘でしょ!!
世の中には、こんな気持ちの優しい男性もいるんだ。
とたんに彼のことが愛おしくなってしまい、彼の肩に手を差し伸べた。
「あの、あなたが泣くことはない……」
「ぶぶっ……」
ぶぶ? なに、今の音?
「ぶは……あはははははっ、もう無理……我慢できない」
な、なに? 泣いてたんじゃなくて笑ってたの?
今もまだヒイヒイ言いながら涙を流して笑っている彼を、ポカンと口を開けて見つめる私。
いったい何がどうして笑っているわけ? なんか私、そんな大笑いするようなこと喋ったっけ?