☆You☆
夜 ホテルの部屋で 食事を済ませた後
悠太の車で 湖に向かった
ふたりで 車の中から 眺める
その湖は
月の明かりがゆらゆらと
映っていて とても綺麗だった
車から降りて見る景色は
とても 安らかで
空は 満天の星空
高校生の夜中に小学校の
校庭に行って ふたりで見た
流れ星を見た時の空みたいに
尚
悠太は そう呼んで
私の左手をとって 私の指輪をはずした
そして
「尚 俺と結婚してください」
真面目な顔で 悠太は私に
ポケットから
出した指輪を 私の薬指に はめた
ダイヤの石が一粒 大きく光っていた
「俺まだ給料安いから こんなんでごめん」
照れ笑いをする その顔は
小さい頃から 変わらない悠太の顔
悠太 私は どんな高い指輪よりも
どんな素敵な指輪よりも
本当にほしかったのは
あなたからの「結婚して」
その言葉が待ち遠しかった
ずっとずっと
昔より
そして今よりもっともっと
悠太に寄り添って生きていける
人生が 待ち遠しかった
その言葉が 嬉しくて
本当に どんな言葉より嬉しくて
涙が こらえられなかった
私は 悠太の胸の中に 顔をうずめて
「悠 ありがとう 幸せにしてね」
泣きながら 答えた私の
プロポーズの返事
悠太には ちゃんと 聞こえてたかな