☆You☆

そのとき 何が起きたのか

分からなくて

左側の席に 私は ぶつかって

その衝撃がとても痛くて

涙が止まらなくて



悠太が 私の名前を呼んだ


悠太は 私を抱きしめていて

私を守るように 私の上に悠太がいて


私の手を握りしめて

泣きじゃくる私の頭を撫でながら

尚…愛してる


尚…愛してると


「泣かないで 尚…愛してる」

悠太は 私を抱きしめて

私にキスをした

悠 愛してる

私は 泣きながら あなたに言った


私にキスをする あなたのこめかみから

赤く流れた その血が私の頬に 落ちて


外は とても騒がしくなって


救急車の音が鳴り響いて


抱きしめたあなたと

握りしめる あなたのその手を
追いかけながら


私はあなたのその手を離れて
ストレッチャーに乗せられた


救急車のなか


私は 何度も 何度も

あなたの名前を呼んで



離れたあなたのその手を探した


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