☆You☆


しばらくの間


私は その手紙を みつめていた



とにかく凄く 恥ずかしくて


嬉しいより 先に 恥ずかしくて



これから 悠太のいる公園で
私は どんな顔をして


会えばいいの





でも 悠太は 私からの返事を待っている



そして もらった
便箋を封筒に入れ 握りしめたまま


悠太のいる公園に走った



まるで バトンを持って走る
対抗リレーの時みたいに全力で


公園の入り口まで たどり着くと


公園の一番奥の水道に悠太が
いるのが見えた


公園についた私に気づかず
こちらに背中を向けて

水道の水を 飲んでいた


私は そこまで走った


悠太は 私の走る足音に気がついて


蛇口に 口を近づけたまま 私を見た




次の瞬間


私は 自分の緩んだ靴ひもに
気がつかなくて その紐を踏んだ


そして 思いきり
前のめりに 地面に 転んだ


左手に 持っていたバッグは
水道の辺りに落ちて


右手に持った 悠太からの手紙は
しっかり 握りしめたまま



私は 地面に 転んだまま 大泣きした



「尚ちゃん 大丈夫!?」

心配そうに 悠太は 私に駆け寄った


地面に転んだ私を 起きあげて

座り込んで泣く私の洋服についた砂を
はらってくれていた



私が 泣き止むまで ずっと

心配そうな顔で 私をみつめながら

私の頭を ずっと なでていた


「悠ちゃん ありがとう もう大丈夫」


悠太に 手を引かれ
座り込んだ地面から私は立った



「尚ちゃん 膝 ケガしてる」

悠太の声に反応して 自分の膝を見ると

私の右膝は 擦りむけて 血が流れていた



悠太は 自分のポケットから
小さなタオルを取り出して

水で濡らしたタオルを
私の膝に そっと当ててくれた

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