☆You☆

まだ 花火までは 少し時間があった


私は 慣れない下駄に 足が痛くて


「悠ちゃん 足 冷やしてくる」


私は ジャングルジムの奥にある
水道に 向かった



その私の後を 悠太は 追いかけてきた


下駄を脱ぎ
浴衣の裾をあげて 足を水道に出した


隣で 心配そうに 見る悠太


「尚ちゃん 膝の傷 まだ消えてないね」

そう言って

悠太は 私の右膝の傷跡に 触った


「もう 見ないで 恥ずかしから」

ふくれ顔で 私は言った


本当は ドキッとしたんだ
悠太の指が 私の足に 触れたとき


「尚ちゃん 今日 すごく大人っぽい 」

私をじっとみつめて 悠太は言った


私は慌てて 浴衣の裾を離した



「尚ちゃん 足 もう大丈夫?」


あの頃と 変わらない悠太の
心配そうな顔

私が公園で 転んだときも
こんな顔で 心配そうに聞いた


「大丈夫だよ 悠ちゃん ありがとう」

変わらない私も いつものように
笑って 悠太に返した






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