☆You☆
「尚!!」
後ろから 私を 呼び止めて
「俺 マジで 尚しか 見てない
尚 嫌な思いさせて ごめんね」
そう言って 悠太は
私の背中を強く抱きながら
私の頭のてっぺんに キスをした
駅の歩道橋は 電車に向かう人や
他の学生たちで 行き交っている
こんな優しい悠太に
素直になれない自分に自己嫌悪
「悠ちゃん ごめんね」
私は 悠太に 背中を向けたまま 泣いた
悠太は 私の泣き顔を 歩道橋を通りすぎる
学生たちから 見えないように
自分の胸に 引き寄せて
自分の背中を 学生たちに向けた
私が 泣き止むまで ずっとずっと