☆You☆


私の家が 近づいたとき
つないだ手を 少し 引っ張るように



「尚 俺んち これから来ない?」


悠太は 優しい笑顔で 言った

私は 笑顔で

「うん 行く」と


いつもの ふたりの会話


悠太の家


いつものように 悠太は
ポケットから取り出した鍵でドアを開け


私は いつものように

「おじゃましまーす」

と言って 玄関を入る


悠太のお母さんは
仕事が忙しいらしく
この頃は ずっと見ていない


悠太の部屋は 相変わらずシンプルで


中学の時と 変わらない

私との写真と
私が小学校の時に渡した
クリスマスカードが 変わらず
飾られている部屋


いつものように
ベッドに背中を 寄り掛けて
カーペットの上に 私は座った


悠太は ベッドに 肘をついて
私を見つめながら
私の髪を触りながら 隣に座る



悠太は 私の頬を軽くつねって




「ねー尚 ワイシャツ開けすぎじゃない?」


すごくムッとした顔で言った


こんな
悠太の顔も 愛しくて たまらない


私の小さな変化も あなたは

ちゃんと見ててくれる

いつも あなたは 私のとこを

ちゃんと見てくれている

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