マリーゴールド【短編】
私はきっとカエデが言ったように近すぎて好きがわからなかったんだ。
今の関係を壊したくないから気づかないよう蓋をしたんだ。
「なんか心がぽかぽかしてきた。」
昔もこんな感じがしたときあったな...。
「へー。…さて、ユズご飯食べよ。」
また、ちゅっ。
とキスされたあと私はアズサの膝の上から降りると横に座った。
テーブルをみると冷めてるご飯。
テーブルの中央を彩るマリーゴールドの小鉢。
一緒に住み始めたときにアズサが買ってきた。
その横に置いてあったティーポットからはもう湯気が出てるのを確認できない。
自分が思ってたのより時間がたっていたらしい。
その時間分、アズサに抱きしめられてたと思うとカァーと顔が真っ赤になった。
「何赤くなってるの?」
「ぅえ!?…な、なんでもない!!」
「そー?」