しわくちゃになったら、会いに行きます。2


 俺より少し背の低い彼女は、そお? と俺を見上げて首をかしげた。


 今日は待ちに待ったデートだろうに、俺は終始考え事ばかりで。


 きっとつまらないと感じるはずだ。




 「しんどかったら教えてね。休憩できる所探すから!」




 けれど彼女は、優しく微笑んで、両腕でガッツポーズを作った。


 甘えている。


 俺は、彼女の優しさに甘えている。


 このままでは、彼女を傷付けてしまう。




 「うん、ありがと」




 なのに、久しぶりの「生身の人間」の暖かさから逃げられない。


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