しわくちゃになったら、会いに行きます。2
彼女の家から少し歩いた先のカフェで、休憩がてらお茶をすることにした。
外は人が溢れかえっている。
店舗に入るとレトロチックなBGMに乗って、挽きたてのコーヒー豆の匂いが漂ってきた。
カウンターでアイスのブレンドとラテと、スティック状に切り揃えられたケーキを数種類注文する。
彼女――朱里は慣れない場所なのか、落ち着かないようにそわそわしている。
その姿が初めて出会った時の迷子の彼女と重なって、笑みが零れた。
「朱里」
思わず呼び止めて、その小さな身体に腕を回す。
跳ね上がった彼女に、今度は声を上げて笑ってしまった。
いつも君は、俺の予想のナナメ45度上をいくんだな。