しわくちゃになったら、会いに行きます。2


 でもお兄ちゃんは、どこ吹く風でさらっとそう言った。


 お姉ちゃんとあたしは、揃って




 「は?」




 と素っ頓狂は声を上げてしまう。


 あたしたちの反応に、お兄ちゃんは可笑しそうにケタケタと笑った。


 そして、不敵な笑みを作る。




 「俺の中学の時の先輩に伝がある。


 ほら、朱里は少し前に会っただろ?」




 そう言われて記憶の引き出しを探ると、一人の男性が浮かび上がった。


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