しわくちゃになったら、会いに行きます。2
お兄ちゃんはキラキラと目を輝かせて話す。
あたしにはまだよく分かんない世界だけど、
お姉ちゃんもまんざらじゃないみたい。
「ふぅん。
ま、バイトよりはいいんじゃない? 頑張ってみれば?」
と、講義に使ってる(って言ってた)ノートを広げて自分の世界に入っていった。
話がひと段落ついて、あたしは時計を見上げる。
「わっ、もうこんな時間! 行かなきゃ!」
本来出る予定だった時間を20分ほど後回り、あたしはバタバタと玄関へ走った。