私達の居る場所
ふと、何か聞こえてくる、
(瞳…)
…?
こんな都会の真ん中で、雑音を排除して自分の世界に入ってた私の耳に誰かの呼ぶ声が。

排除OFF

ゴチャゴチャガヤガヤ

キョロキョロと周りを見渡してみる
…ん?誰も見知った顔も無いし、私を見ている人も居ない。
気のせいかな…?

あ〜臭い、都会は何故こうも臭いのか。
現実に戻されゲンナリする。

今日は風が強い、周りの人達は、髪が乱れるのが嫌なのか建物内を通って行く、私は風に当たりたい、とても気持ちいい、臭い匂いも飛ばしてくれる

あ〜気持ちいい、空も青い、美しい…
心が穏やかになる。
(瞳…瞳気づいて…)
…?誰?

首元にフワっと誰かが後ろから抱きついた
澄んだ水と森…とても爽やかな香りがした
触れられてる感触はあるのに人が居ない…?人じゃない?!
透けてる!薄っすら透けて見える!
女の子だ‼︎
細い腕の女の子
『何⁈…っえ?』

フワっと感触が離れ目の前に透けた女の子が…
(やっと気づいてくれた)
ニッコリと笑う

ええ〜⁈
ちょ〜可愛い女の子!髪ながっ!フワフワ、細いしちっちゃ!可愛い…
…けど。透けてるぅぅ⁈??
(ずっと呼んでたんだよ、瞳の事、何度も風に乗って瞳の元に来て、ずっと、ずっと呼んでた。)
ウルウルしながら、微笑んでる透けた美少女。
『え…瞳の事しってるの?あなた誰?人?』
ちょっと?ワールドでパニクる私。

(うふふっ、私はミウ。ずっと瞳の事知ってたし見てたよ。)
ミウ?
手を後ろでにぎって上向きかげんに見つめてくる。
(瞳一緒に来て、お願い。)
『…え?何処に?』
(私たちの居る場所、とても美しい所…)
急に突風がきて目を閉じる。
『っわ!』
フワっ
風が舞い上がり私を舞い上げた。
『え?ええ〜っ!きゃっ!』
『え〜っ!』
驚きで言葉も出ない…一瞬のうちにもう街が豆粒位の位置にいた
風が私達を運んで行く
『…ミウ?何処にいくの?あなたがやったの?…何これ?』
もう訳もわからずパニック状態、
でも自然と怖くはない。
(うふふっ落ち着いて瞳、これから私達の居る場所に行くの、瞳も気に入るはずよ。)

ミウは笑顔で答えそして悲しそうに言った
(瞳、私達を助けて…)
『助けるって何を?』

(…とりあえず行ってからね)
ニッコリ笑ってミウは黙ってしまった。

周りを見渡すといつの間にか海しか見えない、
“何処だろぉ〜ここ…夢かなぁ〜。”
などと思っていると
風が急に急降下
『っぎゃ!!』
(瞳、着くよ〜!)
と笑顔のミウとは裏腹に恐怖しかない私。
どんどん海に近づく
“海に落ちるぅー!泳げない〜!”
『んギャッ!ギャ〜〜っ!!』
と、突然森が見えた
『え⁈島…?』
(そう!私達の居る場所だよ。到着〜!)
森が近づき、風が緩まり地面にフワリと降りた。
『ふうぉ〜…マジ無理。死ぬかと思った…。』
もう顔面蒼白な私…。
(うふふ〜っ!瞳面白い。)
無邪気に笑うミウ。
“いやいや何も面白くないですよ…あなた。”






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