扉の向こうのパラダイス
股間に押し付けられるたびに、カズオ君の赤黒く怒張したペニスが、俺の喉奥に突き刺さる。

「あっ、あっ、あっ」

「おえっ、おえっ、おえっ」

俺とカズオ君の奇妙なハーモニーが浴室でこだまする。

半分も口に含むことができないため、竿の部分は右手でしごき続けた。

さらに涙が出てきた。

何やってんだろう、俺。

涙の理由は、たんに息苦しかったからか、それともこの自分の状況を惨めに感じたからか、カズオ君のペニスをくわえながら考え続けた。

「うわ゛ー!」

カズオ君の突然の遠吠え。
俺の頭を握る手に力がこめられる。

痛い痛い、、毛が、毛が抜けるって。

口の中に熱いものがこみ上げる。

同時に、ドブ水でも口に含んだような吐き気も。

「苦いっ!お、おえっー!」

何が起きたのか理解できず、思わずタイルの上に吐き出した。

カズオ君が俺の口の中に射精した事実に、そこでようやく気がついた。
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