扉の向こうのパラダイス
紆余曲折

メールを読み終えて浮かんだ言葉がそれだった。

サトルさんの人生の話だ。

49年生きてきたのだから、当然それ相応の経験を積んでる。それにしても凄まじすぎる。

20代で結婚をし子供も授かったが、自分の性癖を知ってしまい、妻とは離婚をした。30代からは男性との付き合いが始まる。

中でも濃密な関係となったのがシンガポール人のヤン。

しかし、ヤンには婚約者がいた。

俺が思うにヤンは、男も女も抱ける人だったのだろう。

彼女と付き合いながら、同時にサトルさんとも付き合った。

彼女にすべてがばれてしまい、ヤンは迷った末、彼女を選んだというわけだ。

その時、サトルさんはどんな心境だったのだろう。

普通の男女の恋愛と同じように、深い傷を負ったのだろうか。

いつか機会があれば聞いてみようと思う。
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