愛情の鎖
「別にコウさんのプライベートにづかづか踏み込んだりしないから大丈夫だよ。それにもしコウさんに困ったことがあれば今日みたいに助けてあげるし、仲良くして損はないと思うけど」」
「へ〜」
「あと深入りはしないし、私も深入りされるのは嫌いだもん。あくまでも仲のいい隣人プラス話し相手ぐらいな関係かできたらいいなって思ってるだけで」
「好きにすれば」
「えっ?」
「そんなに友達になりたければお好きにどうぞ」
「本当!?」
「その代わり、そこまで言うなら友達としてこれから俺が納得いくまで友情の証を見せてもらうけど」
意味ありげな顔で目を細められて一瞬「……?」と、なったけれどコウさんにお許しを得れたことが嬉しくて私は深く考えずに「うんうん」と頷いた。
「本当にいいの!?」
「勝手にすれば」
やったぁ。
すごく嬉しい。
「ありがとう!」
思いきって聞いてみるもんだ。
まさかこんな風にコウさんにオッケーもらえるなんて思わなかった。
ちょっと力がわいてくる。
今まで空っぽだった私の体にほのかに暖かい感情が流れ込んでいくようで、思いがけないプレゼントに何だか得した気分になる。